創作系総合板

ふむ､…偶には研究者足る所以を披露せねば意味の無い場所に成って仕舞うか｡

あらァ､研究所たる所以?｡見せなさいよそんな物が有るならね｡盗む物など無いのは100も承知なのよ､あたしに盗めるのが物だけだと思った?｡

まァ然う簡単に出せれば苦労為無いのだがね､一本取られたと迄は言わ無いが中々に痛い所を突いて来るじゃないか｡…急に何を言い出すのかと思えば､物すら盗め無いと云うのに何を盗む気だろうか｡否､抑も何も盗む気は無いのだろう?｡

あたしに盗む物が無いのと同じ様に貴方も別に研究を何かの為にしている訳じゃあないんでしょう?｡好奇心を満たすためなのは今も昔も変わらず｡…あら､一本取られたと迄は言わないけれど痛い所を突いてくるじゃない!｡持て成されに来た丈､その大したことのないおもてなしとやら見せてよォ､早くぅ｡

とは言え､似た者同士とは言え無い様な何かを…まァ､何かの為と言えば何かの為で好奇心を満たす為と言えば満たす為だが｡相変わらず遣りたい様に遣って居る丈さ､其の範囲は狭まったと言っても過言では無いがね｡其処は素直に一本取られても良かったんじゃあないか?｡持て成せ､持て成せと急に言われても如何対応為たものか…相変わらず強引さは評価に値為るよ｡

やりたいように?｡結構結構､あたしは貴方のそういう処が好きなのよ､ずぅっとね｡飽きずに挑戦状叩きつけちゃう位あたしから愛されてたのはよく知ってるでしょ♡ね♡｡貴方が一本取られてないならあたしだって取られないわよ､負けたくないもん｡…お褒めに預かって光栄よ｡相変わらず義手に成ろうと怪盗業を引退しようと煌めき輝き美しいこのあたしを持て成せるのよ?｡本心は嬉しくてたまらないでしょ､ドクター｡

遣りたい様に､と強調為れて迄言われると多少訂正為たい気持ちが浮かび上がら無い事も無いが…此方は訂正為せて貰うか｡相変わらずの強引さと熱烈さだよ､君は｡御隠居の身にすら挑戦状を叩き付ける程の熱烈さには参るね､全く｡…寒いと言われ様が知った事では無いけど､腕は一本取られて居るのに負けたくは無い､と?｡…嗚呼､すっかり忘れて居たが非常に自意識が高かったな｡最早懐かしさすら感じ為せるが､怪盗業を辞めたのならば敵視為る必要も無い｡好きに振る舞い給え､其れが俺からの持て成しと云う事で｡

相っ変わらず臍曲がりで天邪鬼なのねェ…でもそこも好き♡すっごく好き♡｡腕は一本取られた癖に会話で一本取られるのは嫌なのかって話?｡何だか割と面白いこと言うのね!｡答えは簡単｡ 嫌よ ♡｡…挑戦状とか昔の癖で言っては見たけど､まあ別に挑戦しに来たわけじゃあないのよ｡と言うか､あたし敵視されてたの?｡気がつかなかったわァ｡そんなに探偵稼業に誇りを持ってるなんて知らなくてェ｡そう言うことならその節は御免なさいねェ｡そうそう､貴方が作って微妙に流通してる奇品の噂を少し聴いて､義手の改良でもして貰おうかと思った丈｡どうせ其の義眼も何か仕掛けがあるんじゃないの?｡あら､少しいい男になった?｡(片手差し伸べ相手前髪軽く払い､無遠慮に上瞼•下瞼を指先以て押広げ瞳観察｡)

……幾ら然うだとしても君に言われるのは癪だな｡君が天邪鬼と言う訳では無いが､癪だ｡然しまァ､怪盗業を営んで居た時依り活き活きとして見えるのは俺の勘違いでは無さそうだ｡其の様な熱烈な好意なんて受けた事も無い｡此れで挑戦為に来ましたなんて言われた暁には如何為て遣ろうと思ったが一安心為たよ､…一番近しい物が敵視と云う表現じゃあないかい?｡或る意味敵視とは真反対の距離に居たと言え無くも無いが､まァ其れは其れ｡何で在ろうと誇りは持つさ､君だって怪盗業に誇りが無かった訳では無いだろう?｡…否､然う云う意味では君の方が誇りが有ったんじゃないかとすら思うよ｡奇品､ねえ──…相変わらず怪盗業の癖が抜けて無いんじゃないかと疑いたく成る程が､良い義手を其れ以上改良しろ､と?｡面白機能でも付けて欲しいのなら承るが｡仕掛けだなんて失礼な､唯一のアイデンティティに仕掛けなんて…ノーコメントで｡( 生気皆無の義眼眼差し手向け微動だにせず観察営む行動を観察仕返し｡ )

何であたしに言われると癪なのよ｡誰に言われても癪なんでしょ｡どうせ｡…んふふ､ふふ｡怪盗業だって無論楽しかったけれどね､今の方がずうっと楽しいわ｡怪盗業は何て言うか､アイドル的な感覚でやって居ただけだから｡アイドルは大体卒業したら女優とかになるでしょ?｡幸いあたしはご覧の通りの美貌と知性を兼ね備えているので何をしても楽しいんだけどねん♡｡敵視と言えば敵視､敵視のカサを着て退屈潰しをしてただけでしょお互いに｡何者であるかはさして重要じゃない｡元貌無しの貴方なら良く知ってんでしょ｡あら何､面白機能なら付けてくれる訳ね!｡其れは中々魅力的なお誘いだわ｡大変にね｡怪盗業の腕は健在よ｡貴方は少し危機回避能力が鈍ったんじゃなあい?｡3つ数える迄に貴方の義眼を何かにすり替えるわ｡1,2…(瞳覗き込み暫し眺めると唇舐め､手癖悪くも摩り替えの宣言｡)

失礼､少々時間を費やし過ぎて仕舞った様だ…気付いた時には此の様な時とは｡美貌が過ぎる義手の女性よ､突然打ち切って済まなかったね｡まァ､何れひょっこりと出て来給え…其の時は数少ない持て成しの一つでも為せて貰うさ｡無論､謝罪を受け入れて呉れるので在れば…の話だがね｡扠､其れでは…再開為せて貰うとしよう｡

さて､定期的に御客人でも募るとしようか｡

さて､そろそろ頃合いだろうか──…永い眠り依り目覚めし時､知ら無い様で知った顔を､等と洒落た事を言う気は無いが｡そろそろ待ち草臥れた頃だろう…とは､邪推為過ぎかね?｡

偶には存在感でも示さねば此の研究所も埋もれて仕舞うか｡

まぁ､存外に愛着が有った訳だ｡──…然し斯くも価値が薄れ行くとは､場所の移動も考えねばな｡